貝蛙

リビングにいる。ふと見ると、彼がいつの間にか帰って来ていた。ちょっと怒ったような顔をしている。ちらかった状態だったからかなと思う。

エアコンの所の出窓を見ている。あさりのような貝(半分)の下に、虫がいるのを見つけた。ゴキブリ!?と思ったが、よく見ると違うようだ。似ているけれど、うぐいす色っぽいし、ツヤもない。とりあえずゴキブリではないことにホッとした。しかし近くに同じのがもう一匹いる。どうやら貝の下で暮らすやどかりのような虫らしい。私は彼に「これ何?」と聞いていた。

少し離れた場所には、更にもう一匹がいた。一体何匹いるんだろうと思い、恐ろしくなる。するとある一匹が、ぴょーんと飛んで和室の手前へ着地した。彼が「あれカエルになってるよ」と言う。見ると、本当に貝の下に大きなカエルが見えた。こんなのが部屋中でぴょんぴょんするとしたらたまらない。想像したら、思わず「きゃー!」と声が出てしまった。彼がカエルの名前らしきことを言ったのだが、よく聞こえなかったので聞き返す。『もしかしてハナサキガエルかな?でもあれは夢の話だったな』と思っていた。

こんなことって夢じゃないかなと疑い始めつつ、カエルから避難するため、収納つきベンチの上に立った。ベンチの位置がおかしい。普段と反対側だ。これは夢だなと確信する。左にはサーちゃんが立っていたので顔をまじまじと見たが、普段と変わりない様子。『こんなにリアルなのに夢なんて…』と思った。

彼に近付き、「これ夢だから飛ぼう」と誘った。サーちゃんを連れ、彼と手をつなぎ、リビングの窓から外に出た。窓は閉まっていたが、通り抜けられることもわかっていた。窓に手を添えて通過する。『壁抜け…ガラス抜けか』と思っていた。少し不安はあったけれど、無事に通り抜けて外に出られた。

手は動かさず、『上へ』と意識して上昇していった。一緒に飛べたことが嬉しく、現実の世界の彼は今どう感じているのかなと思っていた。徐々に高度を上げ、ビルなどを越えて行く。とある高いビルの屋上に着地(サーちゃんはいなかった)した。カップルみたいな人たちが近くにいた。隣のビルのちょっと下の階を上から覗き込む。スナック?みたいなお店が見えた。赤っぽい雰囲気で、ちょっとだけ和風。さっき私たちが何か(忘れた)されたお店だねと言い合う。ぎゃふんとさせてやろうという気持ち。

そこのお店に行くという話になっていたと思うが、気付くと建物の中にいて階段をおりていた。給湯室のような場所に出る。何かいろいろ入っている紙袋が置いてあったのだが、彼がそれをもらって行こうと提案する。これくらいはいいだろうと思ったみたいだった。

人が来る気配。すぐに逃げようとしたが、エレベーターはちょうど行ってしまった模様。通り抜ければなんてことないが、もし挟まれたりしたら嫌なのでやめておいた。彼はその隣にある扉から行こうとした。非常用の扉のような気もするし、業務用のエレベーターのような感じもある。金庫の扉くらいの大きさで、これが何なのかはわからなかった。考えているうちに追っ手が近くに迫っているのを感じたので、そこは使わず階段を抜けていくことにした。ひらりひらりと1階へ降りていく。出口付近は人が大勢いたが、何とか抜けることが出来た。

いつの間にかコストコにいる。座椅子型のソファが遠くに見えた。マットレスを縦にしてちょっと座るところを足したような形。結構良さそうだ。でもサーちゃんが飛びついたら危ないかもなと思う。縦だから倒れやすいだろうし。

そのソファは、広場の奥の方にあった。近くで見たいけれど、土足でいいのかちょっと迷ってウロウロする。子どもたちは靴を脱いでいるようだったので私も脱ぐことにした。彼はサーちゃんと一緒に手前の遊具で遊んでいる。サーちゃんはきゃいきゃい笑って楽しそう。見てくるねーと言い置いて奥へ行った。

近付いてみると、さっきとは少し違う物になっている感じ。幅がすごく広くなっていた。親子が試している横に行き、説明書のパウチを手に取って読む。何か小さいおもちゃみたいなパーツがたくさんケースに入っている。何だか使い勝手が悪そうなのでやめた。

3人で出発。「後で食玩買ってあげるからね」とサーちゃんに話し掛けた。彼も「それが一番いいかもねー」と言っていた。ヨーカドーがくっついているイメージで、そこで買おうと思っていた。

外に出るため階段をのぼる。人が多い上に、ものすごく幅が狭い。地下鉄から外に出る階段みたいな感じなのだけど、もっともっと狭かった。特に、外に出る直前は体を通すのもやっとなほど。サーちゃんを連れながらだったので難儀してしまう。サーちゃんを先に押し出しつつ、外へ出た。見ると彼は少し後ろの方にいて、やはり苦労して出て来ていた。

歩き出してから、食品売り場をまったく見なかったことに気付く。ピザとか見たかった。でも今から戻るんじゃ大変だし、ピザもきっと買わないだろうし、まあいいかと考えていた。

☆ハナサキガエル:彼が2005年5月に見た夢に出て来たカエル。
コストコ:今日か明日行こうと考えていたから。