2人のサーちゃん、そして空中飛行

どこかの広い玄関先でブッタイと話す。ここは会社で、私はまだ在籍しているらしい。ブッタイは伝票などを取りに来たようだ。私がそれを渡すと、ブッタイはやけに穏やかな口調で話す。別れる時の印象が強くてすっかり忘れていたが、そういえば付き合ってる時はこんなだったかな…?と思った。ブッタイが帰った後、『それにしても、後半はブッタイが会社を辞めてたから精神的に楽だったなあ。そうじゃなかったらやりにくくてしょうがないもんね』などと考えていた。携帯のメールを見ると、「とんでもないラーメン渡してんじゃねえよ」という文面。さっきブッタイにもラーメンを渡した気がしたので驚く。しかしメモリーには入っていないのだからそんなはずはない。誰からか確認すると、『ちゃあ』と書いてあった。ブッタイが『ちゃあ』の名を語ったのか??そこでふと、何年も前のメールが届いてしまったのかもしれないと思いついた。それなら不思議じゃない。私は納得していた。場面が変わり、寝室。本当の寝室とは少し違うが、自宅の寝室だと感じている。サーちゃんが起きたようなので相手をしに行く。その途中、左の方からもサーちゃんの声が聞こえたような気がした。気のせいかと思いつつ、サーちゃんの元へ。しかし、やはり左の方からサーちゃんみたいな声。見てみると、左にある部屋からサーちゃんがハイハイをして近付いてくるのだった。サーちゃんが2人!後から来た方がニセモノかとも思うのだが、そっくりなので確証はない。困った気持ちになったところで、わかった。こんなことは夢に決まっている。でも本当に夢だろうか。そんな感じはまったくしない。一度は窓を開けて飛び立とうとしたものの、いきなり飛ぶのは不安だと思いまた窓を閉めた。振り返り、2人のサーちゃんを観察する。後から来た方は、何となくいつものサーちゃんと違うような気もする。やはりこちらがニセモノなんだろうか?もう一度窓を開けてみた。すると、4、5人のサーちゃんがぞろぞろと入ってくる。少しずつ顔が違う。私は、『やっぱり最初のが本物だ。本物のサーちゃんが一番かわいいや〜』と思っていた。夢なら飛ぼう。マアちゃんに聞いて試し、前にも成功したガラス抜けをしてみようと思う。それならいきなり飛ばなくていいし。既にガラスは開けて網戸になっていたので、網戸に両手を差し入れた。先に入れた左手は網戸を突き破ってしまったが、右手はなめらかに抜けた。その流れで体も抜けて行く。よし抜けたぞ!飛ぼう〜っと。窓から出て上へと向かう時、隣の家との間に干されている洗濯物が見えた。ピンチハンガーが風で揺れ、しゃらしゃらといい音を奏でている。こんなに現実っぽいのに夢なんて!と感動。この感覚を覚えておこうと思っていた。家の上方に出ると、下には家々の屋根。遠くには山なども見える。思わず「わあきもちい〜〜!」と大きな声を出してしまう。あまり大きな声を出したら目が覚めちゃうかもしれないから気をつけないといけないなと考えていた。とりあえず正面に向かって飛ぶ。下を見ると、戦国時代のような格好をした人が馬に乗って走っていく。戦にでも向かうのだろうか。なぜこの人だけ?私は「馬っ?」とひとり口に出していた。そうだマアちゃんの家に行こうと思いつく。しかし場所が思い出せない。夢なんだから何とかなるだろうと思い、目をつぶって『マアちゃんちへ!』と念じた。目を開けると、相変わらず飛んではいたが、あまり変わらない風景。移動はできなかったようだ。今度はマアちゃんの家を思い浮かべながら、もう一度目を閉じて念じていた。さっきの寝室に戻ってしまった。サーちゃんはひとりだけになっている。起きていたけれど、おとなしく寝転んでいた。私が飛んでいたので窓は全開。危ないなあ、気をつけようと思った。サーちゃんの所に行くと、枕元にいろいろなものが。タラのかけらなどだ。私が知らないうちに吐いてしまったのかもしれない。申し訳ない気持ちになりつつ拾っていると、切り身まるまるを見つけた。まさかゆうべはこれを丸飲みにしていたのか!?まったく気付かなかった。反省の気持ちでいっぱいになる。拾った物を片付けるためか、キッチンに行った。寝室のすぐ横。両方ともオープンな感じでつながっている。流しで排水溝を見ると、卵のカラとカップラーメンから剥がしたようなビニールと、小さなかけらが入っていた。そういえば、私たちはもうここには住んでいないのだ。時々こうして来ているっぽい。見るともう一つベッドがあり、そこには彼のTシャツやパジャマ用のエンジのトレーナーなどが置いてあった。ある程度は残してあるんだっけと思う。しかし食べ物はまずいだろう。卵のカラだから臭いの心配はなさそうだけれど、後で見つけると嫌になりそうだから今のうちに片付けようとしていた。気付くと流しの向こう(彼の服があるベッドの手前)にいて、手にはカップヌードルのレフィルを持っている。長細いパッケージだが、触った感じはどう見積もってもすべて液体という感じ。味はシーフードを思い浮かべていた。(彼は)レフィル買ってたんだ、と思った。ずっとここに置き去りにするところだった。賞味期限を確認する。まだ大丈夫。目の前には、夢庵にあったアイス用冷凍庫のようなものがある。中にはカップラーメンがたくさん入っていた。ベビースターラーメンカップラーメンになったもの。カップヌードルサイズではなく、大きなサイズ。それが4つくらいセットになって黒っぽい袋に入っている。おまけもついているっぽい。そのセットを出すと、奥にもう1セットあった。その奥には赤いきつねも見えた。私はすべての賞味期限をチェックしていた。場面が変わり、家に帰るところ(会社から出た感じ)。バスに乗っている。ヒノッチがミウラさんに何かバスの裏技のようなものを教えてあげた。103系統がどうこう…とかそんな雰囲気のこと。もしかすると運転手さんに拒否されるかもしれないけれど、そこはお願いをして何とかしなくてはいけないらしい。そのバスが来ていたようで、ミウラさんは急いで出て行った。どうなっただろうと思い外を見ると、ミウラさんがバス停に立っているのが見える。どうやら乗せてもらえなかったようだ。いったん降りてしまったからこのバスにも乗れないし、次のバスまでしばらく待つことになるだろう。かわいそうなことになっちゃったな、と思っていた。