怪鳥

お店で働いている。でも夢庵っぽいつくり。誰か男の子と話している。「出かけることにしたよ」と言うので「誰と?私と?」と聞くと、「おじいちゃんと」という返事。「おじいちゃんもういないもん」と答えていた。

掃除をしながら話していたのだけれど、デルちゃんがやって来た。向こうの人が、「ちっともこっちに来やしない」と言っていたらしい。働いていないと思われてしまったようだ。たしかに同じ場所で立って話してたら目立つだろうなと思った。

気がつくと学校にいた。友達2人と一緒に歩いている。クラブの話をしているのだけれど、疎外感。彼女たちは手芸クラブ(だったかな?)に入るようだけれど、私には他のクラブに入りなよと言うのだ。階段に差し掛かったところで、後ろからマルちゃん(K)が昔のように話しかけているのが見えた。どうやら私の入る隙はないようだ。寂しい気持ちになり、演劇部に入ろうかなと思う。

校内をひとりで歩く。普段と違うルートを歩いてみた。廊下が広くなり、傾斜している場所に出た。渡り廊下だ。別の棟に通じているらしい。ここを通ったら東A校舎に行かれないんだったと思い出した。途中で吹き抜けになっている場所があったので、階段を下りてみる。しかしそれは階段ではなく、植物を育てている場所に置かれている櫓のような物(でも華奢)だった。強度に不安を覚えつつ下まで行った。するとまた元の場所に戻ったことがわかりムシャクシャした気持ちになってしまった。

外に出ていると、怪鳥がいた。背中には人が乗っていて、向こうから走ってくる。飛ぶ練習かとも思ったけれど、そもそも飛べるのかな?と思う。とりあえず、右に避けた。怪鳥はちょっと飛び立つとすぐに私の背後にいったん着陸した。その後再び飛んだのだけれど、私の右腕が爪に引っかかってそのまま一緒に飛んでしまった。ビックリして「うそお」と言ったのだけれど、飛んだことが嬉しくてキョロキョロしていた。怪鳥の下にはいつの間にか人が2人ぶら下がっていて、その下が私だった。

大きく飛び、道路を挟んだ左側へ向かった。校舎から出ている出っ張りに停まる。背中に乗っていたのはリーダー格の人で、青い雰囲気(ターバンが青?)。異国の人っぽい感じだ。「○○(怪鳥の名前)が僕たちを出会わせてくれたのかもしれないね」と言われて嬉しくなっていた。同志のような気持ち。

いつの間にか下に戻っていた。携帯にメールが届く。件名が『空いている日でーす』だったので、さっきの男の子から?と思う。添付されていた写真を見て母校っぽいなと思った。写真と本文を見ている内に、演劇部の部長からなんだと初めてわかった。空いている日とは、練習の日のことだった。私はもう入部したんだなとわかった。

その写真は練習場所入り口に数人が立っているというものだったけれど、他にも写真が付いている。入り口の外で演劇部の勧誘が行われている様子だ。勧誘員は数人いて、それぞれ白っぽい暖簾のようなものを胸に下げている。そこにはお菓子のセットの名前が書いてあって、それで釣ろうという作戦らしい。

私もここに来てればもらえたかもと思う。その場合、入部の意志があるから、まっすぐ歩いて行って「これにします」といきなり入部することになる。きっと驚かれるだろうなと1人で笑いたい気持ちになっていた。写真は数枚あったので、よくこんなに送れたなあと思っていた。

いつの間にか、写真の場所に実際に立っていた。見知らぬ女の子が部員に褒められている。メイクは…〜〜〜な感じでとお茶を濁したようなセリフ。濃いと言いたいのかな?と思った。でもそんなに濃くはなかった。

建物の中に入り、近くにいた別の女の子と会話。怪鳥と一緒に飛んだことを話している。ジェスチャーをしながら「こう下りてこう飛んだから私のここが持ち上げられて一緒に飛んだの」「信じてもらえないかもしれないけど…私それで演劇部に来たの」と言った。女の子は信じてくれたらしく、微笑んでくれたのだった。

前はキレイ目の女の人。座っている劇団員と話している。どうやらここは配役を決める場所らしい。「大人プリン」が空いていると説明されていた。女の人が他のはないのかと聞くと、あとは「1人レズ」だと言う。『厳しいなあ。やっぱりそういうところからスタートなんだろうな』と思い、尻込みしたいような気分だった。

その場所を通過する。入り口と出口は別の場所で、出てみると広いスペースだった。前の人に続き歩いていく。だんだん道がぬかるんできたけれど、必死で歩く。しかしズポッと入ってしまい、ヒャアッと言ってしまう場面もあった。ぬかるみは広範囲にわたっていて、東京ドーム一つ分くらいあった。その周りは観客席のようになっている。

突然、正面から得体の知れない生物が飛び出てきた!生物なのかすらも最早判定不能。巨大で泥まみれ(というか泥)、何となく生き物っぽいカタチはしているけれど顔などはない。しかし殺意や敵意だけは感じるのだ。場内騒然。

私には怪鳥の敵だとわかった。こちらに向かってくる!一度は無事によけたけれど、私のすぐ近くに停まり、バサバサと翼(?)を動かしている。私は既に腰までぬかるみに埋まってしまっている。このまま沈んでしまうのかもしれないと不安になってきた。怪鳥の姿を思い浮かべ、『助けて!』と念じた。

すると左の壁から怪鳥が飛んできた。やはり泥まみれだったし虎のような形になっていたけれど、怪鳥だということはわかった。一瞬で敵の所に到達すると、すごい勢いで攻撃を仕掛けている。怪鳥は強いらしく、あっという間に勝利を収めた。

そして怪鳥は、私の所に来ると爪を差し出してくれた。不透明の白っぽいキャップが着けられている。私が傷つかないようにとの配慮だと思った。手を差し伸べると、怪鳥はそのまま飛び上がった。会場の観客たちは一斉に声援を送ってくれている。

怪鳥は少し飛び、上の方にあるオブジェの所に到着。オブジェは天使のような感じで、揺れないハンモックのような物を持っている。その上からは水が絶えず注がれているのだった。怪鳥は私をそこにそっと置くと飛び去った。私も泥だらけだったので顔をじゃぶじゃぶと洗っていた。

最初に私から離れて行った友達が、「私の友達よ」「私のよ」と言っているのが聞こえる。私のことを言っているらしい。ユンが「誰の友達でもないと思うよ」と言った。『そう、私は怪鳥の友達なのだ』と思っていた。