話すウサギ

我が家の和室。私はリビングとの境目にいる。リョーマくんが立って出てきた。両手を差し出してみると、前足を乗せてくれた。少し爪が食い込んでいるけれど、とても嬉しい気持ちになる。そのまま持ち上げて抱っこのような体勢になった。

リョーマくんは、か細くて高い声で「ありがとう」と言った。いつの間に言葉を覚えたんだろうと一瞬不思議に思ったけれど、私たちの話を聞いて自然に習得したんだなと納得していた。しばらく抱っこのまま運び、「おろす時言ってね」と声を掛けていた。

気がつくと、塾(中学の時の)に行く準備をしている。ポーチの中に、あるはずの口紅が見つからずに困っている。ユカボンが一緒に探してくれたのだけれど、グロスしかない。結局発見できず、「まあいいや」とつぶやくと、ユカボンも「いいでしょ?」と言っていた。

私は続いてバッグの整理を始めた。本も入れたいのに、なかなかスペースが空かない。45分には出ないといけないから、焦った気持ちになっていた。

場面が変わり、CD屋さんのような場所。私は袋からCDを取り出した。それは5CD+1DVDのセットだった。黒人女性3人のダンスグループらしい。赤いボックス入り。ずいぶん大きなセットだなと思った。ユカボンの物のようだ。彼が近づいてきて何やら言っていた。