お坊さん

建物の部屋の中から、バスから降りてきた人々を見ている。お母さんが、「あれ、去年出てた音山(おとやま)さんじゃない?」と言った。音山さんは少し年配の女の人で、見知らぬおばさんと話をしている。私は、音山さんはきっと見に来たんだなと思った。音山さんは去年出ていたものを今年も見られることに感激しているようだった。

お母さんは、ユカボンの友達とユカボンとの3人でおしゃべりをしていたと言う。その友達が自分の子供みたいに3人で大笑いしてたのよ、と話すので私は何だかなぁという気分だった。

洋服を着替えようと思う。キレイな服がいいなと思っていたら、ユカボンが何着もの服を抱えて持ってきてくれた。

着替え終わり、廊下に出た。自分の格好を見てみると、赤白ストライプのロングパンツの上に黒のバミューダーパンツという自分でもおかしいなとおもう服装だ。ガラスに映った姿も明らかに変。不安に思いながらも、3人くらいで教室に向かった。

少し歩くとそこが教室で、案外近いことがわかった。私は、後で戻って着替えればいいやと考えていた。

先に教室に入った誰かが、中にいた人の足を踏んだかして「キャッ」と言った。中では、お葬式っぽいものが営まれている。「キャッ」と言った子は、慌てて口を押さえていた。そういえば、私もコケそうになるんだったと思い出す。去年そうだったからそうなるんだと思っていた。

私は、入り口の手前で正座をした。お坊さんがやってきて、正座して戸を閉めようとしている。閉められちゃうのかな?と思ったら、私たちに気付いて手を止めた。

お坊さんは、口元の締まりについて説明を始めた。だらっとするとヘの字になるということを、実際にやりながら教えてくれている。見本ということらしい。次に、ちょっとだけ笑顔の口をやって見せた。お葬式の最中だというのに、それは今やってもいいことなのか!?私は笑いそうになったので必死にこらえていた。