包丁

2階建ての体育館にいる(NHKホールみたいな感じ)。サイトウキョウコちゃんが、包丁を持って暴れ出した。誰彼かまわず刺そうという勢いだ。

キョウコちゃんはある人を刺そうとしたのだけれど、その人は上手いこと包丁を受け取ることが出来た。もうキョウコちゃんの手には包丁はない。しかし、その人はなぜかまたキョウコちゃんに包丁を手渡してしまった。

そこでキョウコちゃんは、再び包丁を持って通り過ぎる人を狙い始めた。包丁を構え、何かわめきながら歩いている。人々は逃げまどっている。

次のターゲットに包丁が向けられたのだけれど、その人もまた、刺される前に包丁を受け取ることが出来た(奪い取るといった感じではなく、「受け取る」という感じ)。しかしそれもつかの間、せっかく受け取った包丁をまたキョウコちゃんに渡してしまったのだ。

キョウコちゃんは半分困ったように「なんで返すのよおっ」と叫んだ。引っ込みがつかないのか、再び包丁を持って歩き出す。私はそれを見て、きっとキョウコちゃんは包丁を奪われた方が嬉しいんだと気が付いた。勇気を出してキョウコちゃんに向かっていく。

包丁が向けられ、少しだけ怯んだ。でも気が付くと、包丁は私の手にあったのだった。私はキョウコちゃんに包丁を返すことはしなかった。キョウコちゃんも、やはりそれを望んでいたようだ。「誰も持って行ってくれないんだもん」と笑っていた。