電車通勤

家で、出かける準備をしている。服を選んでいるところ。上がオレンジ、下は忘れたけど靴下もオレンジだった。一応コーディネート?っぽく意識をしていて、『まぁコレでいいか』と思っている。

お母さんが「先に行って」と言った。一緒に出るには支度が間に合わないらしい。妹はそもそもどうして一緒に出ようとしているのかが不思議なようで、「なんで?」と聞いていた。お母さんは、「前(私の靴屋時代)はよく一緒に行ってたのよ」と答えていた。

玄関で、服装が何だか変だと気がついた。服装自体もイマイチだけれど、靴下が分厚くて作業用っぽいのだ。部屋に戻り、お母さんにいくつか靴下を見せながら、「これとこの靴下、どっちがいいかな?」と聞いてみた。しかしお母さんは「自分で決めなさい」と、諭すように言って教えてくれないのだった。

時間がないから気持ちばかり焦る。選べないまま玄関に行き、しまいにはつっかけサンダルを履いて外に出てしまった。サンダルだけ水色だし、ちょっとブカブカだし、かっこ悪いことこの上ない。駅に向かいながら、せめてちゃんとしたサンダルを出して履けば良かった…と後悔していた。

駅に着き、切符を急いで買って改札に入れようとする。しかし、挿入口の微妙な隙間に入って突っかかり、数回やっても上手くいかない。そうこうするうちに、電車が入ってきてしまった。「やだー」と言いながら一生懸命入れようとする。見かねた駅員さんが近付いてきた時、ちょうど切符が入ってくれた。

階段を駆け下りて電車に乗る。切符を見ると、定期に変わっていた。上野から銀座線で行くのもいいかもと思っていたのに、定期は都営浅草線になっていた。ちょっと困ったな、こういう場合はどうなるんだろう?と思っていた。

ドア付近に立っていると、近くの席で銀行員の人たちが話しているのが見えた。その中の1人はミギだった。そういえば銀行に勤めてるんだったなぁと思う(本当はたしか美容院の人)。ミギたちは、仕事について何か話していた。

別の人が電車に乗ってきた。落ち着いた感じがする初老の女性だ。銀行員の人たちのことを、「ああ、あの”開けず嫌い”ね」と言った。私はその言い回しがおかしくてちょっと笑った。何だかんだと理由をつけて、レジスターを開けてくれないらしいということらしかった。

浅草で降りようと思っていたけれど、その人と話していたから日本橋でもいいやと思った。時計を見ると11時過ぎ。2限に出るにはちょうどいいかもなと考えた。『ところで2限って何時からだっけ?』と考え始めた時、私は学校に行くんじゃなく仕事に行くんだったと思い出した。

とんでもない間違いだ。しかも今日は11時入りのはず。もう過ぎてる〜!焦って「どうしよう」と言ったのだけれど、話していた女の人は何だか優雅にニッコリしていた。

気がつくと、就職活動中らしい格好をした女の子と話していた。私は隣に座って話を聞いている。彼女は、ジョナサンの面接を受けてきたらしい。自信がない様子。というより、失敗した自信があるようで苦渋の表情をしていた。

しかし、聞けばまだ一次面接だという。後で連絡が来るんじゃないかと思ったので、「その場でわかるかなぁ?(まだ期待できるよ)」と言った。彼女は激しく否定していた。そこで、「ジョナサンは24時間だからキツイよー、男女の社員でけっこう待遇に差があるみたいだし」と言ってみると、少し納得したような顔になっていた。

いつの間にか彼女はいなくなっていて、見知らぬ女の人が乗り込んできた。大きめの茶封筒を正面に抱え、協力して欲しいと言う。アンケートということらしい。

私は「青木さやか」と一緒に居た。アンケートを頼まれた時ちょうど日本橋の駅に着いたので、「私は降りないといけないので」と断って電車を降りた。青木さやかは私をキッという目で見ていた。

ホームを歩きながら、青木さやかはどうしてあんなに怒ってたんだろうと考えた。もしかしたら青木さやか日本橋で降りる予定だったのかな、だとしたら悪いことしたなぁと思っていた。

とにかく銀座線を目指す。乗ってきた電車は地下鉄のハズなのに、ホームは地上にあった。案内板を見てもよくわからず、とりあえずまっすぐ進み、改札を出た。

携帯電話を見ると、着信があったのがわかった。私の初代携帯ツーカーで、底面のコードを指すところがペコペコと浮いてしまっている。ペコペコ部分を押さえながら、仕事場に電話してみた。

いきなり「○○(私の名字)?」と言われる。どうしたんだ?と遅れたのが意外そうに言われたので「入る時間を勘違いしちゃってて」と答えた。すると「そうか」と納得した様子。その時点で、11時50分。12時までに行かれるか微妙だったけれど、「頑張って行きまーす」と言って電話を切った。

私は原宿店に行くんだなと思い込んでいる。どうして原宿なんだと少し不思議に思ったけれど、ヘルプにでも行くんだろうと納得していた。

さて、道がわからない。斜め後ろを学生服を男の子3人組が歩いていたので、呼び止めて銀座線はどこですかと聞いてみた。男の子たちも自信がない感じ。そのうちの1人が右だと言ったけれど、確実じゃないから案内を見た方がいいと言われた。少し戻ったところのT字路に案内があったので見てみる。すると、聞いた場所から見るとまず左方向、その後(T字路)で右だった。そちらに歩き始めると、右だと言った男の子が、他の子たちに「ウソつき〜〜」と言われているのが聞こえてきた。

切符売り場を探して近付いて行くと、別の方向から「青木さやか」が現れた。「あれっ?どこから来たの?」と聞くと、銀座だと言う。そうか、銀座まで乗っておけば逆に近かったんだなと思った。何だか損した気分になっていた。