おじいちゃん

舞台は家。夜らしい。リビングの電球が、なぜか点かない。交換したばっかりなのになーと思いながらカチカチやってみる。何度か試したけれど、やっぱり上手く点かなかった。

私は、和室にあるはずの何かを探したいと思っている。そおっと開けると、おじいちゃんが出てきた。寝ていたのを起こされたので怒っているようだ。出てくるなり、「はっ倒すぞっ」と言われてしまった。

私はごめんねごめんねと謝った。そのうちに、2人で名残りを惜しむように抱き合った。私はおじいちゃんの鼻にチュウをした。お別れのキスのように感じていた。

洗面所の辺りから、お母さんが出てきた。私だけこんなことしてたら申し訳ないなという気持ちになり、お母さんを呼び寄せた。3人でくっつく。お母さんは、子供のようにおじいちゃんに顔を寄せている。頬には涙がつたっていた。お母さんにも、おじいちゃんとお別れだということがわかっているんだな…と思っていた。

おじいちゃんは、おばあちゃんも呼ぼうと考えたらしい。和室に向かって「おい」と声を掛ける。しかし、中にいたのはカイドウさんだった。私はちょっとだけ不思議に思ったけれど、何が違うのかはわからず、カイドウさんがおじいちゃんの妻だということで納得していた。カイドウさんは非常に不満そうで、「いいわよ」と無下に断るのだった。私は、きっと自分よりも私たちが先に一緒にいたのが嫌だったんだなと解釈していた。