サンダル

ベッドにユカボンと一緒に寝ている。ユカボンは、しゃがんだ状態になると、両肘をついて後ろを眺めだした。見ると、俳優(顔はものすごく知ってるのに名前は知らない人。目が大きい)が寝ていた。「見てたらカッコ良くなってきちゃった」と言うので、私はそれを聞いて笑った。よく見ると、本当にカッコイイような気もしてきて不思議な気分になっていた。

いつの間にか、居間で出かける準備をしている。テレビの時計を見ると、7:57だった。こんなにゆっくりしていたらマズイのではないだろうかと不安になった。出る時間はとっくに過ぎている気がする。少し遅く出ても間に合うんだったっけ?と思い出しながらも、準備を急いでいた。玄関に行ったところで、履こうと思っていたサンダルが見当たらないことに気が付いた。お母さんに「茶色いサンダルどこっ?早くー!間に合わないよおっ」と子供のように言っていた。言いながら、『こんな風にワガママなこと言ってるのってしばらくぶりだな』と考えていた。

お母さんが「黒じゃダメなの?」と言ったので、私は自分の服を見てみた。上下とも黒だ。これなら何も無理して茶色いサンダルを履かなくてもいいだろう。「黒でいいや」と答えていた。