寝ながら(?)お風呂

お風呂に入っている。頭を洗い終わり、ふと思った。『いつの間にお風呂に入ったんだろう?』しかも一人。おかしい。お風呂に入った時のことが思い出せない。

必死で記憶をたぐり寄せてみると、昼間にもお風呂に入ったような気がしてきた。ますます変だ。私はどうしちゃったんだろう。

タイルの隅には、マミ作のカバーがついた文庫本が落ちている。もしかして、読みながら寝ていたんだろうか。訳がわからなくなり、軽いパニックに陥りながらお風呂から出た。本が少し濡れてしまったので洗濯機の上に置こうとすると、そこには服があった。やはり少し濡れている。一体どういうことだろう。この服も一度は持って入ったのか?しかし洋服をお風呂に持って行くなんて普通ならすることではない。

『私はどこかおかしくなっちゃったのかもしれないな』と不安になりつつリビングに行くと、今度はどこからかカタカタと音がする。地震が来るんだ!と気付いた私はカウンターの下に潜った。案の定、揺れだした。近くにあった椅子の足を押さえながら様子を見る。段々激しく揺れ始め、カウンターの上に何かが落ちた音がした。一応カウンターで頭は守っているものの、クッションか何かを用意しておけば良かったかなと考えていた。