USP!!!じゃなくてガア!!

たくさんの針をひたすらしまっている。長いのや短いの、さまざまだ。やっと全部終わり、近くで談笑している友達の所に近付こうとしたら入れ物を倒してしまった。針はサラサラサラと勢い付いて流れ、ほとんどがこぼれてしまった。

仕方なくまた拾う。何人かの人は手伝ってくれていた。最後に自分の体を確認したら、右腿とどこか1ヶ所(背中の辺り?)に刺さっているのを見つけた。慌てて抜く。最後に左腕にも刺さっているのを発見したが、それは細い細い注射器のような形の針だった。中に血がたくさん詰まっているようだ。えいっと抜くと、血がパシャッと撥ねた。私が「わー撥ねちゃった」と言うと、誰かが押さえてくれていた。

場面が変わり、バーのような場所に居る。とても広いバーで、屋外にあるようだ。今日はパーティーなのかもしれない。左にはガア、右には田中邦衛が座っている。私の目の前には、大きなグラスに入った赤っぽいカクテルが置いてあった。写真を撮りたいな、でも携帯しか持ってないやと思って見ていた。

私はガアにクラス会の時のことを話していた。覚えていないっぽい。バイクで颯爽と乗ってきたのを見て卒倒しそうだったと言うと、「マジで?」と少し嬉しそうにしていた。ガアに針のことを話しながら、まだ密かに刺さっていたらどうしようと思う。私死んじゃうのかなと不安になっていた。

いつの間にか、一緒にどこかに歩いていた。夏祭りのような雰囲気。ガアはトイレに入ろうとしている。「行って欲しくないよう」と目で訴えていると、アワちゃんがガアに何か言った。ガアは「すぐ戻ってくるから」と言って入って行った。

私は上下に2つぴったりと重ねた傘を差して待っている。通路の外にいるひとが彼女ではないかと気が付いた。すぐに知らせようと思い近くで待っていると、出て来たのは別の人だった。また待つ。ガアが出てきたので彼女のことを言おうとしていると、彼女には気付かず私のことを探しているようだ。少し離れてくっついて行くと、ガアがこけた。私はクククククと笑っていた。ガアは私に好意を持ってくれているようだ。でも私は結婚指輪をしているのに、気が付いてないのかな?と思っていた。

リイチの手紙が落ちている。中身が出ていたけれど、「あれ、リイチのだ。見てないからね」と言って脇に寄せてからまた歩き出した。

場面が変わったのか、誰か別の人と歩いている。やけに豪華な寮があった。高級そうな木で出来ていて、まるで別荘みたい。通る道を間違えたと思い、出ようとする。彼にも電話をしなくちゃと思っていた。いくら今晩は彼が帰って来ない日だからと言って、もう0時を過ぎたから電話を入れてくれているかもしれない。

しかし気付くと建物の中にいて、出口を探している。トイレか何かに逃げた人は、換気扇のパワーに負けて下へと吸い込まれてしまった。でもとりあえずはどこかに抜けられるということだ。窓の外から伝って逃げようとしている人たちもいて、数人窓のところに並んでいる。

篠原ともえちゃんが「お願いっ。換気扇を回してっ」と言った。私が内側からスイッチを入れてあげると、「ありがとおおお」とかすれた声で言いながらなぜか室内にあるトイレに吸い込まれていった。換気扇のスイッチを切り、トイレを見ると、ともえちゃんはまだ完全に吸い込まれていなかった。しまったと思い再びスイッチを入れ、吸い込まれたのを確認してから切った。

今度は誰かと走って逃げている。スーパーの洋服売り場のような場所に出た。奥は見張りがたくさんいるからそこを抜けることは出来ない。ひとまずここで夜を越さなくてはならないだろう。すると、見張りの人たちが誰かを見つけてしまったのだ。私は慌ててマネキンがたくさんいるところに隠れた。様子を伺っている限りでは、こちらには気が付いていないようだった。隙を見て走り、私も窓の外に出た。

すると、海の中に出た。岸から少し離れたところだったけれど、何とか泳げるだろうと思った。砂浜に着くと、あちこちに人がいる。どうやら世界は水浸しになってしまったようだ。女の子と一緒に歩いていくと、大きめの岩の隙間にその子からもらった手紙がびしょびしょになっていて落ちていた。私は拾って「ありがとう」と言い、手紙を水着の胸のところにしまった。切ない気持ちだった。

砂浜の外に出ると街だったけれど、そこも水が氾濫した後のような感じだった。人はまばらだ。もしかしたら彼が迎えに来てくれているんじゃないかと思い、キョロキョロしたが見当たらない。彼もさぞかし心配していることだろう。不安になった。ガアとか言ってる場合じゃなかった、早く彼に会わないと。私は『ごめんねごめんね』とひたすら彼のことを思いながら必死で走っていた。どうしてガアが出て来たんだろう、USPの話を聞いたからかなと思っていた。

黒人男性がたくさん警備をしている場所に出る。彼に電話をしよう、と思う。ここじゃ少しマズイかな、と思った。使える携帯電話は取られる可能性があるのだと私にはわかっている。トイレに入ろう、と思った。

しかし、SPの人に止められてしまった。通行証が必要なのだと言う。さっき誰かにもらったなと思いながら必死で探していたら、「ゼロになりますから、いいですよ」と言ってくれた。トイレに入っても出口はここしかないから結局ゼロで、脱出はできないよという意味らしい。私はとにかく中に入った。

トイレは厚手のビニール製で、折りたたんで壁にくっついている。組み立ててから座って用を足すと、考えられないくらいの勢いだ。そういえば、もう何時間もトイレに入っていなかったんだと思い出した。必要がないと行きたくもならないんだなと思っていた。ウォシュレットの所には、「洗う」ボタンと「洗浄」ボタンがあった。とりあえず「洗う」を押すと、泡がたくさん出て来た後、水がシャワシャワと出てきて洗ってくれた。電話をしたかったけれど、体が濡れてしまったし外に人が来たので出ることにした。

出てから『下着を一枚履くのを忘れたな』と考えていると、さっきのSPの人があさっての方向を見ているのに気付いた。しめたと思い、左側へ走った。

そこは柴又のような雰囲気だ。和風でカラフルな装飾が施されたアーチに足を掛けて上っていくと、やくざな感じの人々がピストルで撃って来た。狙われているのかと思ったがそうではなく、私たちを援護しようとしてくれているようだ。さっきの警備の人たちに応戦している。日本の敷地に入ったんだ、と思った。心強い気持ちでそこを後にした。

ふと、携帯電話をかけられないなら番号だけ覚えておいて公衆電話でかければいいんだと思いついた。電源を入れると、彼の番号はなかった。あれっと思っていると他の人たちの番号も消え入るように見えなくなった。私は違う世界に来てしまったんだと思い絶望的な気持ちになった。番号の記憶をたぐり寄せてみたけれど、既に曖昧で上手く思い出せなかった。

私は再び建物の中にいて、数人の人たちと脱出を試みていた。天井裏のような場所にいて、小さな扉を次々に開けている。開けても開けてもドアしかないので、室井滋がニモの時の口調で「やーねー」と言っていた。しかし諦めかけたところで、出られることがわかった。いくつも続いているドアの終わりが窓の向こうに見えたのだ。

外に出ようとした時、誰かの文章が頭に浮かんできた。「真水に30秒つかり、その後…」と言った感じ。この状況を抜け出すための3か条らしい。私は真水じゃなくて海に浸かったのだから駄目かも、でもその後トイレで洗ってもらったからOKかも…と考えていた。その文章はタモリが書いたらしかった。私はこのまま目が覚めないかと、目をつぶってみたりしていた。

再び道を歩いている。唐沢さんと石田ゆり子がお店に入って行った。飼っている犬の話をしている。後ろを歩きながら何となく聞いていると、石田ゆり子はその犬を妹として、演技の練習をしていると言う。唐沢さんは笑っていた。私もちょっと笑いたいような気分だった。