パピーグッズ

彼と2人で、おばあちゃんの家に向かって歩いている。とても静かで、お正月のような空気を感じていた。私は彼に、お正月に来るだか来ないだかは賛成できないとお母さんが言っていたと伝えた。その真意がよく掴めず、『おばあちゃんはお母さんたちと集合することになっていて不在なのかな?』と考えていた。

家に入ると、おばあちゃんは留守のようだった。彼は何かを探している。押入れから、スーパーファミコンの箱を持ってきた。「これにするってー」と言っている。割と状態の良い箱だったので、私は「いいんじゃない?」と答えた。

しかし、中を見るとコントローラーが1つしかなかったらしい。彼はとても焦っている。私は1ヶ所思い当たる場所があったので引き出しを開けてみた。大きくて平べったいコントローラーが入っている。一瞬喜んだのだけれど、すぐに違うとわかった。取り出して彼に見せながら、「これじゃダメだね。ゲームキューブのだ。」と言っていた。

彼が小さな段ボール箱をどこからか運んできた。中を覗くと、小学校の頃に書いた習字の束が入っている。「作文」だったか、簡単な二字熟語が見えていた。

私は「要らないよね〜」と言いながらその束を取り出した。束は3つあったけれど、そのうち私が書いた物は1つだけだとわかる。横で彼が取り出して見ているのは、彼のものだった。パラパラとめくったら、習字ではなく写真に変わっていた。「これ誰が撮ったんだろうね?」と言うので見ると、可愛らしい子供が写っていて、実に素敵に撮れていた。彼が幼い頃の写真らしい。白黒で、雰囲気も抜群。私は「わ〜♪」というような歓声をあげて見入っていた。

いつの間にか、教室にいる。N部長が教壇に立っていて、民生くんの曲(「さすらい」?)の最後を歌っているところだった。歌い終えると、部長は照れた様子で「これでいいのかな?」と聞いた。更に、「ちょっと(この部分を)やってみてくれないか」と言っている。民生くんは私の左斜め前方に座っていたのだけれど、部長以上に照れているみたいだった。

私の左にはイナちゃんがいた。左と言っても、イナちゃんと私は教室の中心を向いて座っているようなので、感覚としては後ろ。私は、振り返ってイナちゃんに鉛筆を貸してあげた。それは昔の鉛筆といった感じで、茶色い六角形をしていた。白い文字で何か彫ってある。

イナちゃんはそれを見て、「パピーのでしょ?」と言った。パピーというのはイナちゃんが入っていたサークルだ。私は『そう言えばこれはイナちゃんにもらったんだったかな?』と思っていた。

パピーの中から、誰か芸能人になった人がいるらしい。離れた席に座っていた女の子が「パピー色(ショク)って何色ですか?」と質問している。私は頭の中で、濃い目のベージュを想像していた。

芸能人が出たということは、パピーグッズを持っていると良いということだ。きっと高値がついているのだろう。イナちゃんが私に「あれ幾らだった?」と聞いた。ペンケース(平たい缶ペン)とレターセットのことを言っているのだなとわかった。私は記憶をたぐり寄せ、「ペンケースはたしかもらったんだよ。レターセットはねぇ…」と返事していた。

☆N部長が夢に出てきたよという話を彼にしたから印象に残っていたのかも?パピーのことが出てきたのは、ゆんとばるが遊びに来てくれてパピー話を聞いたから。