幼馴染みと羊札

地元を自転車で進んでいる。ユカボンが後ろに乗っているように思っていたのだけれど、私が肩車をしてもらっているような感じでもあった。

接骨院の前を通りかかると、幼馴染みのテツヤくんが病院に入っていくところだった。左腕を骨折したらしく、布で吊っている。私はあまりにも会うのが久しぶりなので声をかけないで通り過ぎようか迷っていたら、妹の方が気付いて急に止まろうとした。自転車だか肩車だかなので、急に止まられるとバランスが困る。私はこのままじゃ倒れると思い、「キャー!ちょっと待って〜〜!」と一生懸命に声を上げていた。

場面が変わり、自宅のリビング。お父さんと彼に今月のお小遣いを渡そうとしている。彼には10万5千円、お父さんには12万円をあげることになっているらしく、そのようにメモをしていた。書きながら、彼が働いたお金なのにお父さんの方に多く渡すなんておかしいなあと不審に思っていた。

お父さんに催促されたので、お財布を開ける。図書券の袋の手前に入れたハズ、と思うのに見当たらない。あちこち見ると、カウンターに袋があってそこにお金が入っていた。何だかたくさんあったのでそこから抜いて渡してあげた。

次は彼の番。5千円分は千円札で渡そうと思って数えて手渡した。そのお札は羊の毛で出来ているので、一枚一枚がモコモコでかなり分厚い。一枚あたりの推定厚さ、およそ2cm。お財布に入れたところを想像したら、明らかに二つ折りは無理な感じだった。その前にこんなの5枚も入らないのに違いない。彼はキョトンとした顔をしていたのだけれど、私が「これじゃ入らないよね」と言うと「そうでしょう??」とホッとしたように答えた。改めて5千円札に取り替えてあげた。