感染

電車の席に座っている。ふと、向かい側に座っている女の人が立ち上がってこちらに歩いてきた。私の目の前に立つと、私の頬の辺りを両手で挟んだ。すごい力で押さえつけてくる。驚いたけれど、怖くて力が出ない。何かとんでもないことに巻き込まれていると感じた。ウィルスのようなものにやられているようだ。ホラー映画のようなストーリーらしい。このウィルスに感染しれた者は正気を失い、次々と他の人たちを襲うようになってしまうのだ。

女の人がいなくなり電車の中を移動していき、トイレに入った。怖くて仕方がない。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせているものの、体中がゾワゾワとしている気がしてまったく落ち着かなかった。

気付くと、お母さんとユカボンと一緒に駅に向かっている。自分の家を出発したところ。時間に間に合わないかもしれないという気持ち。焦っていた。

忘れ物をしたか何かで家に戻る。わざと「ただいまー」と大きな声で入った。怖いモノがいないか確認するような気持ちだった。和室で電車の時刻表をチェックする。何時に出発しようかとあれこれ考えていた。そして改めてトイレに入った。『ここなら安心』と思っていた。