リビングの雨戸を閉めていたら、男の人(ラグフェアーの人)が近付いてきて何か言っている。声が出ないらしい。え?という仕草で聞き返したら「水…」と言っているようだった。お金がなくてゴハンも買えなくて困っている人なんだな、と思った。

他にも二人、別の件でうちに訪ねて来ているようだった。素性が知れないので、とりあえず一度窓を閉めてからキッチンに向かった。水と言われて本当に水を出したら悪いかなあと思って冷蔵庫を開ける。牛乳と、お茶の残りが2種類しかなかった。お茶を混ぜてブレンドしようかしら・・・などと考えていた。

『ついでに食べ物もあげよう、缶詰でも…』と思い床下収納を開けた。なぜかコンビニのお弁当が入っている。引越しで捨てたハズなのに、お母さんまた入れちゃったんだなぁと思いながら取り出した。すると、その下にもお弁当が入っている。いくつも出てきた。当然すべて期限切れ。なんで捨てないの〜と思っていた。

いつの間にかササキさんのおじいちゃんが入ってきていた。私に何か忠告しているらしい。間もなく、さっきの水を欲しがっていた人が包丁を持って入ってきた。何かよこせと言うつもりらしい。でも歩き方はゆっくりだし本気の感じがしなかったので、包丁の先をつかんで取り上げた。逆に包丁を突きつけて諭そうとしていた。

男の人は、諦めたようだったけれど空腹に耐えかねているようすだった。見回している内に期限切れのお弁当を見つけ、手を伸ばす。それは期限切れだよ、5日も過ぎてるし…と言ったものの、耳に入ってはいないようだった。焼肉弁当を手に取るとあっという間にムシャムシャ食べはじめてしまった。

問題ないというようなことを言われたので私も口に入れてみた。なるほど、腐ったような味もニオイもまったくしなかった。美味しいな、5日くらい大丈夫なんだなぁと思っていた。

☆起きてから考えてみるとお弁当の期限表示がたしか8日、『今日は20日過ぎ』と思っていたから実際は2週間くらい過ぎていたことになるね。