ウサギ出産

ソファで昼寝をしている。頭のある方の後ろにケージが置いてあるのだけれど、目覚めるとやけにカチャカチャとうるさい。「どうしたの?」と言いながら近付いてみた。やたらと体を振り乱しながらケージに噛み付いている。抜けた毛が床に散乱してしまっていた。

暗かったのでとにかく電気をつけ、もう一度近付いてみて驚いた!ケージに噛み付いていたのはりょーまクンではなかったのだ。私が寝ている間に、リョーマくんは出産してしまったらしい。ケージの中には2羽のウサギが居て、リョーマくんは隅っこでガクンガクンと体を震わせていた。

出産の後は、痙攣がくるのだということを思い出した。こういう時はどうすればいいんだっけ?たしか本に書いてあったと思うのに、なかなかその本が見つからない。リョーマくんが死んじゃったらどうしようと焦り、半泣きになりながら本を探していた。1羽しかいないのに出産したのが不思議だったけれど、買ったとき既に妊娠してたんだろうなと納得していた。

気付くと、ソファに寝ていた。どうやら今までのは夢だったらしい。ホッとしかけたところに彼が慌てて帰ってきた。「また寝てんの?」と言いながらリョーマくんに駆け寄り、様子を見て「なんだ、このくらいなら大丈夫だよ」と安心したように言った。リョーマくんは少し具合が悪そうだったけれど、もちろん出産などしていなかった。彼は、私がひどく取り乱していたので何が起こったのかと思い、営業の途中で有休をもらって帰ってきたという。私は寝ながら電話をかけたのかと驚いて「私、電話したの?」と聞いていた。

その直後、本当にリョーマくんが子供を産んでしまった!夢と同じ、2羽。私は興奮して「正夢になっちゃった!今この夢を見てたの!!」と彼に報告したのだけれど、彼はまったく信じてくれなかった。彼なら信じてくれると思っていたのでかなりのショックを受けてしまった。

すると、近くにいたアムロちゃんが信じてもらえないのは当然だというようなことを言う。私はひどく怒り、アムロちゃんを追いかけて顔をグニグニに押したり引っ張ったりしていた。そして二人で和室に入り、こっそりと泣き合った。

リビングに戻ると、産まれた子供たちを皆が見に来ていた。よく見ると、子供たちはまったく可愛くない。というか、もはやウサギじゃない気がする。豹のような感じ。体に模様が入っている。

ちょっとコワイなぁと思っていると、リョーマくんが近付いてきた。小さくて可愛い。子供をもらわれてしまうのはサミシイだろうなぁと思って撫でようとすると、私の指をペロペロと舐めてきた。いとおしいなぁと思いながら見ていた。