下剋上

大規模な養鶏業者AとBに両隣を挟まれた弱小養鶏業者Cがいた。

Cは、鶏の餌にウサギの糞を混ぜて食べさせると、鶏の発育が劇的に向上することを発見、特許を取得しようとしたが、その特許は既にAが取得していた。

次に、鶏をベルトコンベアに流し、ロボットアームで鶏の首を絞めることができる能率的な製造システムを開発したが、これもBがすでに取得していることが判明。

落胆するCだが、ある時、先の二つの特許は、Cのアイデアを盗み見していたAとBが、資金力に物を言わせて先に特許を取得したのだという真相を知る。

やる気はあるのに弱小であるが故に悉くアイデアを阻まれたCは、ついに真面目に生きていくことを放棄し、自暴自棄になる。

そんな折、AとBの鶏がウイルスにより死滅した。それを見ていたC、大損害とその後の処置に困り果てたAとBに対し、「その死んでる鶏達、俺にくんねぇ?全部片付けてやるよ」と申し出た。

地獄に仏とばかりに、AとBは、死んだ鶏全てをCに譲り、Cは手に入れたその鶏を油で揚げて販売。莫大な財を成した。

このCこそ、カーネルサンダースその人である。