区の代表

パイプ椅子が並べられているどこかの会場。私は一番前に座っている。目の前は全面ガラス張りで、正面100mほど先には大きくて真っ白な塔があった。巨大で威圧感がある。あの塔から無差別にレーダーのようなものを発射されると思い、怖くて仕方なくなってきた。しかし隠れる場所もない。祈ろうと思ったが、キリスト教だと思われたら、もしかしてかえって狙われてしまうかもしれない。隣の人と「どっちがいいの?」と半ばパニック気味で相談した。もちろん答えが得られるはずもなく、ただただ心の中で必死に祈っていた。

場面が変わる。区の中で唯一私だけが何かの条件に当てはまるらしく、代表のような男の人に来て欲しいと言われる。しかし、行ったらもう戻ってこられないことが私にはわかっている。

回答を渋っていると、いつの間にか全裸になっていることに気付いた。でも見れば、そこにいる全員が全裸で、私も含め誰もが全身黒塗りになっていたのでそう恥ずかしくはないかなと思っていた。ボス?だか代表者だか、とにかく私に来て欲しがっているその人は、観衆を味方につけて呼び寄せようとする。私は席を立ち、少し距離をとった。皆の方を見ると、皆こっちを見ている。私は少し腰をくねっとして恥ずかしがって見せた。すると皆はますます来て欲しがるのだった。

男が目の前にいて、区の用紙にサインをさせようとしている。これにサインをしてしまえば、もう帰れなくなるのだろう。オナカが痛いふりをしようと思い「いたたた」と言ってみた。ボスらしき男は「どうした!?」と血相を変えた。健康状態が重要なのだなと思う。「オナカが弱いので」と言うと「それくらいは大丈夫だ」という返事。がっかりしつつ、とにかくトイレに行ってきますと告げてそこから立ち去った。

出てすぐの長い階段に一瞬足を踏み入れたら、すぐに止められた。ここは秘密のどこかに通じているのだなと思う。「オナカが壊れて」と話したら、看護婦さんのような人が具体的な名前を挙げて薬を作ってくれると言っていた。

屋上のような場所に出る。2回転のバック宙をしながら飛び出して脱出しようとしている男性がいた。私もそうしようかと思うけれど、ジャンプ力がそこまでないので諦める。下の道路を覗くと、ユンと誰か男友達が歩いているのが見えた。二人は高校生くらいの女の子と鉢合わせする。その子が誰かに話してしまえば、追っ手に伝わってしまいまずいことになる。私は緊張したが、女の子は少し泣いた。なぜだろう?と思ってよく見ると、男友達がTOKIOの長瀬くんだとわかった。二人は口止めをしていた。

どこかに隠れようと思う。何か一つ得意なことを持っておくことが大事なのだと誰かが言っていたことを思い出した。たしかにそうだなと思いながら、靴箱が詰まれているところを登って行く。ブーツ箱の中に隠れようかなと考えていた。登ったところに、小さな子向けのバッグがあった。誰か女の子が小さい頃に大事にしていたものらしい。その子を好きな男の子がそれに気付き、バッグを持って後ろに向けて見せていた。それが優しさなのだなと私は思っていた。少し離れたところでは、鈴の音。バッグについていた鈴だけこちらにあるんだなと理解していた。

塾みたいな建物に入り、カラオケボックスのような部屋に向かう。私も男友達(でも知らない顔)といたのだが、誰かと鉢合わせしてしまう。「絶対に言わないでくださいね!」と口止めしていた。見つかったら最後だ。話されたらもう捕まってしまうなと思いながらボックスの中に入ると、後輩の女の子も二人ほど来てくれていた。この子たちも見つかったらまずいだろうにと思い、嬉しいような不安なような気持ちになっていた。

お父さんとお母さんはどうしているだろうと考える。お父さんはまだ軽く考えている気がした。しかししばらく私が帰ってこなかったら、区に聞いてみろとお母さんに言い、それでも戻ってこなかったらやきもきした様子になるのだろうと思っていた。

☆起きた時は心臓がどきどきしていた。