潜る

巨大なプール若しくは海。上がる時間になったようなので、イルカのように跳ねながら進んだ。サメらしきものもいるが、巧みに避ける。そんな私の様子を見て歓声をあげている人もいた。

本を拾わなくてはいけないが、それはプールの一番底にある。潜るには危険な深さらしい。でも戻るとき急に上がらなければ良いのでは?と思ったので、意を決して潜る。

途中まで行くと、クレーンが本を拾い上げていた。それを待っても良かったのだけれど、矢も盾もたまらず近付いて行った。クレーンから本を外し、自分の手に取る。恩田陸の文庫で、赤い背表紙の物だった。私は既に持っているかもしれない。これは誰かにとってすごく必要な物らしい。どうしてそれほどまでに?と思いつつ、上へと戻った。

家(どこかの2階)に帰り、ただいまーと入っていく。見てないの?と言われた。励ましのメッセージか何かをしてくれていたんだなとわかる。そのメッセージのありかは、どこかの公園だか駐車場だかの近くらしい。お母さんに説明を求めるが、曖昧な返事。結構遠いかもと言われる。遠くても、せっかく作ってくれたものなら是非とも見たい。地図を描いてもらうことにした。

お母さんが涙している。「新婚さんを見てたら…」と言う。お父さんがヘンなことばかり言うから嫌気がさしたようだ。今は妹とそのお子とお母さんの3人でけっこう上手くやっているらしい。

私がお財布の整理をしていると、お父さんが来た。破れた千円札のかけら2枚を見つけて、自分の物と合うのではないかと言った。渡したら何か言っていたが、よくわからない。お母さんも大変だなと思いつつ、適当にあしらっていた。