古本屋さん

イナちゃんと話していると、彼女はまだエヌマートで働いてるということだ。17年もいるから時給も高いし、と言っている。早朝手当てや日曜日手当ても出るのだそうだ。

私は自分のことを考えてみた。今の仕事を始めてもうすぐ1年。時給は変わらず。でも近いしけっこう楽しいし、まあいいや的な気分だった。

自転車で家に帰ろうとしている。大きなスクランブル交差点に出た。町田っぽい雰囲気。一度来たことがあるから多分こっちだと、当たりをつけて出発した。

自転車を走らせていると、住宅街に入る。左側にとある家があった。古本屋さんだ。ここには以前も来たことがある。大好きなお店なのだ。すっごく大きな本が見えた。高さ数メートルはある。面白そうな本だったのだけれど、最近まとめて買ったばかりだからいいやと考えていた。

右に曲がり、すぐにまた右折。しばらく直進し、また2度ほど曲がって元の道へ出てきた。何となく帰りがたい気持ちだったのだ。古本屋さんを裏側から見たりしていた。