次も彼

自宅リビング。彼は誰かと携帯で話していて、「一緒にいるんだよ」と言った。私のことだなと思う。電話の向こうからは、「あ、そうなんだ」という冷たい声が漏れ聞こえてきた。そこで初めて、電話の相手は彼だということに気付いた。

どうやら私は、電話の彼とは別れてリビングの彼と付き合っているらしい。同じ彼だけれど、私は違う人だと思っている。『どうして彼と別れちゃったんだろう』と思い、後悔の気持ちでいっぱいになっていた。