危険な遊び

学校の校庭。校舎の窓のところで、男の子たちがはしゃいでいる。ヒノッチやサンタたち数人が、ある男の子を窓からぶら下げて遊んでいるのだった。いじめという訳ではなく、ぶら下げられている男の子も楽しそう。私は校門の辺りにいて、危ないなあと思いながら見ていた。

すると、懸念が現実になってしまった。いっぺんに2人を、しかもかなり下の方にぶら下げたのだ。案の定、重みに耐えかねて手が離れてしまった。

2人は、校庭に向かって落ちてくる。私は『やっぱり人って重いんだ』などと考えていた。一人は校庭の中央近く、もう一人は飛ばされるようにして校門の外に落下した。中央に落ちた人は、メガネをかけた黒人男性のようだ。遠目から見ても、ぐったりとしていて動いていないのがわかる。窓から一気に校庭に落ちたので、もう助からないのではないかと思われた。飛ばされた人の方が衝撃は弱かったかもしれない。そう思い、校門の外に走った。倒れているのは、日焼けした日本人男性だった。ボーダフォンのCMで「TV付き〜」と言いながらサッカーを観ている人のような顔だ。やはり動いていない。とにかく救急車を呼ぶことにした。

携帯で電話をすると、警察が出た。特に不思議には思わず、「救急です!」と言った。「私立ですか?公立ですか?」と聞かれたので、看板(?)を見ながら「○○中学校(母校)です」と答えた。なのに、「千葉県立船橋○○(←忘れた)高校ですね」と言われる。よくわからなかったけれど、携帯から掛けるとそういうこともわかるのかもしれないなと思い「ハイ」と返事をした。すると、「ここからだと○○が2時間で移動が30分なので2時間半くらい掛かります」というのだ。そんなに遅かったら死んじゃうかもしれない。焦って「そんなに掛かるんですか!?もっと近いところはないんですか!?」と問いかけたのだけれど、何だか要領を得ない返事だった。

ふと見ると、倒れていた日本人が立ち上がっていた。「救急車が来るから」と言っているのに、手でいらないというような仕草をすると、すたすたと歩いて黒人の方へと向かった。黒人の方も少し痛そうだったけれど立ち上がった。やはり見守っていた人に言われたらしく「(救急車に)乗った方がいいよねえ?」と聞いている。日本人の方は「大丈夫大丈夫」と答えていた。

私は電話の相手に「すみません、今普通に動いてるみたいです」と報告した。「ごめんなさいっ。」と言うと「いやー良かったですね〜」と喜んでくれた。「お手数掛けますー失礼しますー」と言いながら電話を切った。切りながら、変な言い方だなぁと思っていた。