ワニに注意

オーストラリアの海にいる。一面、海。私たちは、釣りに来たらしい。

彼とボートに乗っている。すごいスピード!私は、このボートがどのように動いているのか判らなくて考えている。モーターボートにしては普通のボートっぽい見かけだし…。私たちの気持ちで動かせるようになっているのかもしれないな、と考えていた。

しばらくして、ボートの下で彼が自転車のように漕いでるのかな?と思って聞いてみたけれど、彼はスピードを出すことに夢中なようで返事がない。ボートは河へと入って行った。あまりの速さに、私は少し怖くなってきた。そこで「カメラがあるんだよー」と言ってみた。彼はそれを聞くと、「じゃあ普通にしよう」と言ってスピードを落としてくれた。それを見て、やっぱり彼が漕いでいるんだなあと思っていた。

それでもそれなりの速さを保ったまま、前へと進んでいった。他のボートすれすれに通過したり、釣りをしている人の糸に引っかかりそうになりながら走っていく。そのころ私は立ち乗りをしていたので、釣り糸をよけて身をかがめたりしていた。

しばらく行くと、河の幅ほども体長がある魚が見えた。私は驚いて、彼に「ねえっ見て見て!」と声をかけた。岸には釣り人が立っている。その人が釣ったのだけれど、置く場所がないからとりあえず泳がせているんだなと思った。こんなに大きな魚がいるところに来てしまって大丈夫かな?とも考えていた。

周りはいつの間にか、ジャングルの中の川みたいな雰囲気になってきている。水の色も、海は青かったけれどこの辺りは淀んだ感じになっていた。

少し進んだところで、口を開けた大きな魚がいるのが見えた。魚じゃない!ワニだ!!しかもワラワラいる!私が「ワニだよ!」と言ったのと同時に、彼も気付いて必死でバックし始めた。ワニは私たちに気付くとスピードを出して追いかけてきた。

こんなにピンチだというのに、私たちはやっとUターンできたところ。食われるかもしれないという恐怖に怯えていた。そう言えば、彼はこのボートを足で漕いでいるんだった。とすると、いま一番危険なのは彼の足だ!私は「足隠してる?隠してる!?」と叫んだ。彼は「隠してない!」と言う。それじゃあ食べられちゃうよーと思って見てみると、彼はおかしいくらいのX脚で難を逃れようとしていた。