夕焼け

デパートの中のような所にいる。私は『このままじゃ私が殺されたと思われちゃう』と思っていて、何とかして逃げようとあちこちを走り回っていた。

気が付くと、山の上にいる。その山はそれ一つで山脈のようなカタチをしていて、幅は狭いけれど長さはずっと先まで続いている。他にも知っている顔がたくさん見えた(オソノとか)。

ふと空を見ると、遠くの方に真っ赤な夕焼けが見えた。それは思わず声をあげてしまうほど美しかったので、私は絶対に写真を撮りたいと考えた。少し後ろにいたイナちゃんから、カメラ(LOMOとデジカメ)を受け取る(預かってもらっていたらしい)。そして再び夕焼けの方を向くと、私の右の方で何かが動いているのが判った。オソノがツルツルと山の斜面を滑ってしまっているのだった。スノボでもするように、バランスを取りながらどんどん下降している。とりあえず、怪我をすることはなさそうだった。

それにしても、この山って案外滑りやすいんだなと思った。気を取り直して写真を撮ろうとした時、私も斜面を滑ってしまっていることに気が付いた。カメラを構えるものの、自分が動いているものだからシャッターを押すタイミングが掴めない。それよりも、このまま滑って行ってしまったらどうなるんだろうという不安が大きくなってきた。

すると誰かが「水を前にかけて」としきりに言ってきた。私は『そうか』と思い、水筒を取り出して必死に自分の前に水をかけた。山の斜面は砂で出来ていたため、水をかけることによって固まり、私は無事に斜面の途中で停止することが出来た。

『よかったあ』と安堵し、気を取り直してカメラを構える。しかし空を見上げると既に夕焼けは見えなくなっていて、自分がかなり下の方まで来てしまっていたことがわかった。それに、時間もかかったらしく辺りは既に暗くなってきている。あの美しい景色を撮れなかったことが悔しく、私は「やだぁー!なんでーっ」と大きな声を上げていた。