いつかの彼が体育座り

昔のように、夢庵でバイト中。フロアが道路の真ん中にポンってあったけど別に不思議は感じてなかった。後輩らしき子がレジ閉めしてるんだけど、ドロアーを開けっ放しにして10mくらい離れたところで作業をしてる。「ねえ、開けたまんまで大丈夫なの?」と声をかけた。「大丈夫ですよー」と言ってるんだけど、レジの方を見ると通りすがりのおじさんが今にも札束を持って行くところ!慌てて「すみませーーーん」と大きな声を出しながら追いかける。追いついて、お金をつかんだんだけど、相手もしっかり握っているからなかなか取り戻せない。「お願いしますー今日の売上金なんですーー」と言うと、欲しそうな顔をして「だって、これ、5000万円でしょ?」と言う。「いえ、50万円です」と答えたら、明らかにガッカリした顔で手を離して去ってった。お金が無事で何より。

元の場所に戻ると、当時の彼(ハマショー)がぶらぶらしていた。私に気がつくと、コートのポケットから嬉しそうに5000円札を2枚出して渡してきた。どうも旧札のようで、やけに大きくて赤っぽい色をしてる。「何?」と聞くと「とっといたんだよーふたりのためにーうひょー♪」というようなことを言いながらどこかに歩いていってしまった。怖くなって、帰りは今のダーリンに迎えに来てもらおう、と決心した。

後輩の子たちに、安全のためレジは必ず閉めておきましょう、というようなことを教えた後、働きながら、『私、いつまで働くんだっけ?』と思う。辞める予定日をもう過ぎてるんじゃない?って心配になる。ついこの間まで働いていた会社にいた上司がいたので尋ねてみると、「13日までだよ」と言われ、意外とまだ日が残ってるなって思った。

閉店が近くなって、座敷の最終片付けに行くと、何とハマショーがまたそこにいた。「お金とか、とっとかなくていいからね?だってもう別れてるじゃんっ」と言い放つと、ショックを受けた顔でまたどこかに行ってしまった。

控え室に戻ると、他のキャストに紛れてハマショーが体育座りをしている。ぞわっときて、更衣室に向かい、着替えた。更衣室を出ると、ハマショーはもういなかったけど、下の駐車場で待ち伏せているに違いない、と思った。

怖いから誰かと一緒に駐車場まで行こうと思い、ショウコちゃんにもう帰るかどうか聞くと、まだだって。ちょっと神妙な顔をしている。『?』と思いながらふと見ると、クメが泣きながらタナカくんに「そんなのイヤだよお」と訴えている。タナカくんは「ほんとにごめんね」などと言っている。私は、『タナカくんはクメと付き合ってたけど、ショウコちゃんのことを好きになったんだなあ』と想像した。別の子に「もう帰る?」と聞いたら「帰る」というので、その子と一緒に下まで行くことにした。

でも外に出てみたら、一緒にいるのはショウコちゃんだった。「赤い車、いない?」と言いながら今のダーリンの車を探す。ハマショーの乗ってる車の奥に、ダーリンの車は停まってた。ドアのすぐ側までショウコちゃんと一緒に来てもらって、「ありがとう」と言ってバイバイした。私は無事に車に乗り込んで、出発したよ。あー、よかった。ダーリンはホッとした様子で、「隣にヤツの車があるから緊張したよ」というようなことを言ってた。

高速みたいなところを走ってたんだけど、いつのまにか車には人が増えて、4人くらいで乗ってた。後ろの後ろを走っている車には、私のおとーさんが乗っていた。横を走っている車も、ナナメを走っている車も、よく見たら全部知っている人が乗っていてビックリしちゃったよ。

☆ハマショーが出てきたのは、浜田省吾(ハマショー)のバンダナをネットオークションに出そうって考えていたからかな?しょうこちゃんが出てきたのは、11日に飲みに誘われていて『時間とかどうなってるんだろう?』って思ってたからだと思う。