サンダル

小学校の同級生、オクセが私を好きだということがわかる。皆が私たちを上手くいかせようとしている。満更でもないという気持ちだったが、教室から出て、中にいるオクセを見たら冷静になった。まったく好きでもなかったし、想像してみても付き合える気がしない。でもツカサと呼ぶのはちょっといいかもなんて思った。昔は変な名前だなと思っていたけど。大学の敷地を歩いている。学食の前にワゴンがいくつか並んでいて、安売りの雰囲気。フリマかと思い、近付いてみた。SALEの貼り紙があちこちにしてある。青学マーク入りのサンダルが売っている。赤がいいな、彼に買って行ってあげようと思う。一番右には4Lがあるが、これはさすがに大きいだろう。少し左にあったLLを手に取った。LLは、最後のひとつ。近くにいた夫婦がそれを買おうか迷っていたところだったようだ。私が持ったのを見て少し焦った様子。私が買っちゃうぞと思ったが、よく見るとそれは紺のドライビングシューズだった。これじゃダメだよと思い、元の場所に戻した。せっかくだから原宿まで行って、ブックオフにでも寄ろうかなと思う。ワクワクした気持ちになるが、ふと、私がここに来られたのは誰のおかげ?と思う。誰かがサーちゃんを見ていてくれるんだっただろうか?いや、そんな記憶はない。いつもは時間の関係で大丈夫だっただけだ。今日は朝に家を出てきたのだから、サーちゃんは6時間くらいひとりぽっちで家にいることになる。泣きすぎて死んじゃってるかも!私はひどく焦った気持ちになり、とにかく走った。駅のホームに着くと、ちょうど電車が発車してしまったところだった。ここは東横線らしい。これで渋谷まで出て帰ろうかと思うが、そもそもここはどこの駅だっけ?とわからなくなる。とにかく渋谷や新宿よりは左だろうと思った。小田急代々木上原乗り換えでもいいかななどと考えたけれど、いずれにしても1時間以上はかかることがわかっている。心配でしかたがなくなっていた。