怪しい携帯

家の周りを一周して戻ってくると、道路に面した窓がほぼ全開になっていた。この短い間に泥棒が入ったんじゃないかと焦る。窓には、緑のスポーツバッグが掛けられていた。私は、『近所の人が来たのかな?』と考えていた。

玄関に着くと、佐川急便の人がやって来た。ハンコを取りに中に入りたいのに、鍵が見つからない。いや、鍵は持っているのだけれど、束になってジャラジャラジャラジャラしているのだ。やっぱり見つからない。

私は、ミスドのカードをお兄さんに渡し、何かもらって来てくれるように頼んだ。カードには何種類かの写真が載っていたから、どれをもらうか迷ってしまう。佐川のお兄さんも時間がない様子だったので、「手帳にする。デザインは任せる!」と言い放った。お兄さんはトラックへと走って行った。

携帯にそのお兄さんからメールが入った。不思議に思いつつも、彼がヘンに思うだろうと、返信しながらまた一周してきた。そしてあっというまに我が家。通りすがりのおばちゃんに「そうよもう家よ」と言われて驚いた。

家に入る。すると、またメールが来た。彼が覗き込んでいる。送って行くと、女の人の写真の後になぜか私と一緒の写真がある。私は急いでページを送って見られないようにしていた。彼は怪しいなという表情だ。

トイレに入った。後からミウラさんとコンノさんが来て個室へと消える。『男性用が一杯だったんだな』と考えたので、不思議には思っていなかった。

そしてまた携帯だ。今度は着信。その時、さっきの佐川の人はコンノさんだったんだとわかった。どうしてよりによって私に連絡をしてくるのか?と少し暗い気持ちになった。しかし画面を見ると、「銀座の○○」と書いてある。オオカワくんなイメージ。そこで出てみると、塾の集まりがあるとわかった。

行ってみると、塾のメンバーではなくサークルの人たちがいる。懐かしい面々。『この会(過去のものらしい)に皆来ていたら楽しく過ごせてたのに』と、もったいなく思っていた。