空の魔術師

空の魔術師と呼ばれた伝説的なパイロットが福岡からやってくる。俺とともちゃんを含めた一行(30人くらい)は、トラックの荷台で東京へ向かった。なぜか重苦しい雰囲気だ。高速道路で東京に近付くにつれ、空の魔術師が陸では何の役にも立たないことが判明。より一層暗いムードになる。オヤジの一人がヤジを飛ばした。

途中、原っぱでうなだれている丸刈りの子供を発見し、俺はたまらず子供の所へ行った。そこで2、3会話をかわし、かけがえのない友情を築く。そろそろトラックに戻らなければいけない時間なのになかなか離れられない。

何気なく地面を棒切れで掘ると、珍しいカブト虫やミヤマクワガタ、それにノコギリクワガタが ザクザク出て来た。俺は嬉しくなって、更にトラックに戻れない。

意を決してトラックに戻ると、オヤジの一人が「いい記録は出たのかい?」とイヤミっぽく言った。俺は「出たよ」とそっけなく言い返した。

更に高速を進むと、警察に止められた。これ以上トラックの荷台に乗ることは違法だと言われ、 バスに乗り換えることを義務付けられたのでそこで乗り換える。

やがて、バスはあるテーマパークに到着した。そこは金持ちしか来られない高級リゾートだ。ちょうど金持ちカップルがエントランスの噴水の上を一輪車でクルクル回っているところだった。とても華やかだ。俺たちは羨ましく思いながらバスで出発した。

家に到着すると、江口洋介唐沢寿明がシャベルで部屋の床を掘っていた。ウフフ、ウフフと笑っている。俺には弟と妹がいるらしく、カブトムシの幼虫を見たことがないというので、 江口からシャベルを奪って押入れの下を掘った。幼虫ではなくサナギが出て来た。妹は少し悲しそうだった。

鼻のワキをコーキングしている。やがてコーキングが鼻の穴をふさぎ、俺は死ぬ。