脱出

大きな建物。私は最上階に居て、脱出を試みようとしている。らせん状の階段を下りようとした時、下から社長はじめ社員の面々が上に向かってきているのがわかった。見つかったら大変なことになる。隠れる場所もなかったけれど気配を消すような気持ちで息を詰めた。

すると、不思議と皆には私が見えていないことに気が付いた。隠れつつも段々大胆になり、手すりの部分を持ってクルクルと下におりていった。左右から大きな白い布が迫ってきて、それも身を隠すのに役立った。無事に1階まで到達することができた。外に出ると、ひとけのなさそうな砂利道なのに妙に人が多い。見つからないように屋根の上に登っていった。大きな建物の割には、外観は民家のようだった。登り終わったら飛んで逃げよう、と思っていた。