虫の家

彼と部屋にいる。部屋の一角にある何かのところまで歩いていってそれを触ろうとしたら、小さな黒い虫が怖いほどたくさん這いずり回っていた。ギョッとしてその場を離れる。

彼に「窓を閉めよう」と言って窓に手をかけると、そこにはまた別の虫(飛ぶ)がミッシリと蠢いていた。思わず悲鳴をあげてしまった。彼に「閉めて!閉めて!」と言い残し、後ずさりをして避難する。

彼が閉めてくれた窓の向こうを見ると、干してある洗濯物の1枚から壁にかけて、大きな蜂の巣が出来ているのがわかった。「あれ!あれ蜂の巣じゃない!?」と言いながらふと自分の手を見てみると、右手人差し指の中に、さっきの黒い虫が入り込んでいた。指の中でチョロチョロと足を動かして、段々奥の方に行こうとしている様子。足を動かされるたびに指がチクチクと気配を感じてとても気持ちが悪い。

洗面所で、ピンセットを使って取ろうとする。何本かある足だけが指の外に出ていたので、その内の1本をつまんで引っ張ってみた。弾力を感じながらも引っ張り続けると、「ぷちっ」と音をたてて足が切れてしまった。彼は「あーあ。もげちゃった」と言ってどこかに歩いて行ってしまった。

このまま取れなかったらどうしようと思いながらも別の足でチャレンジしてみる。ゾワゾワとした痛さを感じたけれど、ここで負けるわけにはいかない。思いっきり引き抜いた。

虫は無事に除去成功!しかし、私の手のひらのお肉も一緒に取れてしまった。ベロリと向けている。痛い…。少し悲しくなりながら、洗面台の流しに落ちた手のひら(一部)を手に取ってスーパーの袋に回収した。持ってみると割と重かったので、『こんなに厚かったら食べられそうだなぁ』と思った。

☆食べられそうだと思ったのは、前日彼と「ひとめあなたに」の話をしていたからかも?